都心から少し足を延せば、そこには息をのむような秋の絶景が広がっています。今回は埼玉県の人気観光地、長瀞の秋の魅力をご紹介。特に、山全体が燃えるように色づく「宝登山(ほどさん)」と、地球の歴史を感じる「岩畳(いわだたみ)」を巡るおすすめルートをご案内します。今回の写真は11月30日に撮りました。
神話と紅葉に彩られる「宝登山」
長瀞の秋といえば、まず訪れたいのが宝登山です。秩父神社、三峯神社とともに秩父三社の一つに数えられる宝登山神社が鎮座し、神聖な空気に満ちています。
歴史の息吹を感じる
宝登山神社の創祀は約1900年前にさかのぼると伝えられています。日本神話の英雄・日本武尊(やまとたけるのみこと)が東国平定の際にこの地を訪れ、山火事に襲われたところ、どこからともなく現れた巨犬が火を消し止め尊を救ったという伝説が残ります。この伝説から「火を止める山」、すなわち「火止山(ほどさん)」と呼ばれ、後に「宝登山」の字が当てられました。火災盗難除けや諸難除けの神として、今も篤い信仰を集めています。

多くの参拝者が訪れる宝登山神社の拝殿。精巧な彫刻も見どころの一つです。
おすすめの散策ルートと時間帯

- 見頃: 例年11月上旬から下旬
- 標高: 497m
- 行程: 長瀞駅から宝登山山頂まで約1時間
長瀞駅から宝登山神社を目指してまっすぐ歩けば、迷うことなくたどり着けます。おすすめの時間帯は、太陽が西に傾き始める午後3時頃。黄金色の光が紅葉した木々を照らし、まるで絵画のような幻想的な風景が広がります。ロープウェイを使えば、空中から錦に染まる山々を一望する贅沢な体験もできます。
最新の紅葉状況は、お出かけ前に公式サイトで確認するのがおすすめです。
- 宝登山ロープウェイ 紅葉状況: https://hodosan-ropeway.co.jp/


登山道の途中。午後になると、太陽の光が紅葉した葉を透かし、キラキラと輝きます。

木々の間から見える景色。赤や黄に色づいた葉が、遠くの山々を額縁のように彩ります。

宝登山頂上の紅葉が絶景。。

木々のシルエットの向こうには、秩父の山々と空が広がる絶景が待っています。


地球の窓「岩畳」で感じる悠久の時
宝登山で紅葉を楽しんだ後は、長瀞のもう一つのシンボル「岩畳」へ向かいましょう。荒川の清流に沿って広がる巨大な岩のテラスは、国指定の名勝及び天然記念物にも指定されています。

荒川の流れと岩畳が織りなす雄大な景色。多くの人が自然の造形美を楽しんでいます。
日本地質学発祥の地
長瀞一帯は、地下深くで高い圧力を受けてできた「結晶片岩」という、薄く剥がれやすい性質を持つ岩石でできています。この岩畳は、約8500万年~約6600万年前(中生代白亜紀)に形成された結晶片岩が、荒川の流れによって侵食されてできたものです。その特異な地質から「地球の窓」とも呼ばれ、「日本地質学発祥の地」として知られています。
岩畳では、川の流れで石が回転して岩盤を削ってできた「ポットホール(甌穴)」や、かつての川の流路跡である「四十八沼」など、自然が作り出した芸術を間近で観察できます。対岸にそびえる絶壁は、中国の景勝地にちなんで「秩父赤壁」と呼ばれています。
- 入園料: 無料


近づいてみると、結晶片岩が何層にも重なっている様子がよくわかります。まさに自然の彫刻です。
アクセス情報
電車でのアクセス
- 池袋駅から:
- 上野駅から:
車でのアクセス
まとめ
この秋は、歴史と自然が織りなす長瀞で、心に残る風景を探しに出かけてみませんか。
紅葉の記事はこちら!
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